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5月  話題を集める『ForColor』作業ワークフローを検証!!!

デジタル撮影したRGBデータを高い精度でCMYKに変換し、撮影〜デザイン〜印刷までをトータルに色コミュニケーションするという命題には、これまで多くの方法が提案されてきました。以前は高額だったカラーキャリブレーション機器やプロファイルメーカーが近年はよりお求め安く手軽に使えるようになってきましたが、それでも未だに「難しい世界」として敬遠されている方も多いことでしょう。

そんななか、セットショップと銀一で昨年12月から販売を開始して話題を集めている「For Color(フォーカラー)」システムは、『モニタの画像をそのまま印刷できたら』と願う方々に大きな助けとなります。これはデータを正確に次の作業ステップへ手渡してゆくという「ドキュメント・リレー」という概念で、「ForColor」ではこの印刷に最適なCMYKデータの作り方が順を追って理解できます。この「ForColor」はどんな環境でもオールラウンドに使える絶対的なものではありませんが、様々な色管理ツールが販売されている現在、より少額の投資で導入できる新たな選択肢として注目に値します。

今月はこの「ForColor」を、実際に自社カタログ製作に導入したセットショップ担当者の意見を交えて御紹介します。まず現在発売されている「For Color 基礎編(限定版)」には、下記の内容がセットされています。


●ForColor基礎編(限定版)
A4版 128ページ CD-ROM 1枚付属
CMYK変換プロファイル・プリンタープロファイル
サンプル写真(印刷見本+実データ約50点)
プロ価格:\28,000

教則本とも言える冊子には、カメラマン→デザイナー→印刷所のコミュニケーションの取り方のノウハウを、モニタ・プリンタ・印刷物のトータルな色管理の視点から解説しています。この「ForColor」を使うことによって印刷時の色に対する不安が解消されれば、カメラマンもデザイナーもそれぞれの作業に集中でき、印刷所も質の良いデータを受け取ることが出来るという内容です。さらにこの教則本の他には、「ForColor」をシステムとして機能させる為に重要な各種プロファイル(Adobe Photoshop5.0〜7.0に対応)がCD-ROMで添付されています。

さて本年3月のIPPF会場で配布されたセットショップの新カタログ(VOL.15)は、実際に「ForColor」を使って制作されました。このカタログ制作にあたって、照明・撮影・色調整・CMYK変換をひとりで行ったのが、同店マネージャーの小川英智氏です。以下は編集部との一問一答です。

編集部 「ForColor」導入における最大の利点は何でしょうか?
小川氏 結論から先に言えば『自分の写真(データ)に自信が持てる様になった』、そして『これまで断片的であった自分のデジタル知識が体系化された』という二点に集約されます。

編集部 より具体的に聞かせて下さい。
小川氏 最初に強調したいのは、「ForColor 」は画像処理ソフトウエアでもないしプロファイルメーカーでもないという事です。あくまでも、RGB→CMYKの変換プロファイルとその方法論なのです。このシステムは、現役広告写真家と印刷会社の画像処理専門家の二人三脚によって誕生しました。理想や原則や方法論はさておき、デジタルの現場で必要とされる結論を導き出しているという点で、説得力があります。キャリブレーションの取れていないモニタでデータを見ているカメラマンが色を加工してデザイナーに渡す、そのデザイナーが更に色を修正して印刷所へ・・・印刷所から色校で出されたデータを見ると本当の商品色とは似ても似つかないものになっていた、という誰しもが陥る事故からの脱却を目指した実践ガイドと言うことが出来ます。
私は今回、68ページのセットショップカタログを制作するために1000点に及ぶ商品撮影を行いました。使用カメラはNikon D1xです。このカメラをRAWで撮影し、そのデータをNikon Capture3で開きます。Capture上で必要な色補正を行い、TIFF(RGB)として保存します。次にPhotoshopで開く際にはForColorをプロファイル指定して画像を開き、シャープネスなどの必要作業を行い、モード変換でCMYKを選んでEPS画像として保存し、それをインクジェットでカンプ出しをする。そのカンプとデータをデザイナーに渡し、写真は加工しないでレイアウトだけをお願いします。聞けば簡単なプロセスですが、これによって今回のカタログが完成したのです。

編集部 「ForColor」を使用するにあたって、撮影段階の注意点はありますか?
小川氏 これは「ForColor」導入に限ったことではありませんが、ライティングというか、撮影の基本に忠実に立ち返ることが大切だと思います。いくら良いCMYK変換プロファイルでも、豊富なデータを持つ優れたRGBのカメラデータが無ければ、良いCMYKデータは得られません。例えばディフューズが不十分な照明下では、シャドー部のツブレ・白トビ・色カブリがそのままデータに反映されてしまいます。今回のカタログ撮影では柔らかな照明効果が得られる蛍光灯ライトを8灯使い、レフで起こしながら光を囲って撮影し、濁りの無いRGBデータを得ています。フィルムにはラチチュードがある様に、デジタルカメラにはダイナミックレンジがある。そうした基本を踏まえて、丁寧に撮影を行うことが良質なデータを引き出すポイントです。

編集部 撮影さえしっかり行えば、その後はラク? ですか?
小川氏 そういう言い方も出来ます(笑)。RGB各チャネルのデータ量が揃っていることが、補正をラクにする近道ではあります。RGBで出ていないデータはCMYKでも出ない。無いデータは作れない、ということです。「ForColor」を使ってカンプ出しした際に再現されていない色は、実際の印刷機においても印刷領域外なのです。逆説的ではありますが「ForColor」では、自分が撮影したRGBデータが果たして印刷可能な、あるいは印刷段階で補正可能な誤差範囲に収まっているデータかどうか、という判定の参考にするという使い方も可能です。


編集部 
撮影後にもなにかポイントはありますか?

小川氏 「ForColor」でCMYK変換したデータをもとに、カメラマンが自分で正確なカンプを刷りたい場合、使用プリンタに制限があるのです。現在のところはEPSON PM-4000PXとhp designjet 20PSの二機種のみが使用可能です。特に、高精細な出力が可能なEPSON PM-4000PXでは、通常印刷ではQuickDraw経由の印刷となる為に実際の印刷機による色域再現とは隔たりがあります。これを解消するために、PM-4000PXをPostScript駆動するための別売リップが必要となります。しかしPM-4000PXに使用するEPSON「CPSソフトリッパーPro」は2003年3月現在、MacOS X内で起動するClassic環境に対応していないので、使用するMacはMacOS 9.2までの従来環境に限られます。逆に言えば、上記の点さえクリアできれば「ForColor」を導入するカギは手に入れたことなります。

編集部 カメラマンはCMYK変換してからデータを次の段階に手渡す、というのが理想的なのでしょうか?
小川氏 それは、カメラマン各々の納品形態やクライアントとの関係によると思います。理想であるか否かは別として、RGBデータを2〜3回受け渡ししていると、ほぼ間違いなく元データの特性が失われてしまいます。彩度の高いRGBファイルを元データとして色調整を行ったりファイルの開け閉めの際、埋め込みプロファイルを破棄するか別プロファイルに変換することにより、注意・不注意に関わらずデータが変質してゆくのです。しかしCMYKデータであれば、プロファイルが破棄されても、少なくとも墨パーセンテージやCMYの色比率は変わることはなく、RGBデータほどの極端なデータの変質を回避できるわけです。これがCMYK変換してからデータを手渡すことの実質的メリットのひとつと言えると思います。

編集部 「ForColor」の利便性は分かりましたが、これを運用する上で、既存のカラーマネジメントシステムとの親和性についてはどうでしょうか?
小川氏 「ForColor」はAdobeガンマを利用して、目視によるモニタの調整をすることが特徴です。つまり、Adobeガンマをキャンセルした状態でモニタプロファイルを作成するi-1(アイワン)やColor Genius(カラージニアス)といったシステムとの整合性はありません。事実上、使用者のシステムにおいて複数の色管理システムを共存させることは混乱を招きますので、お薦めしません。

編集部 プリンタやソフトリッパー以外は特別な機材を使用せずに使えるという点が「ForColor」の敷居を低くしているのですが、手軽ゆえに正しい知識を学ぶと言うことが欠かせないと言うことですね。
小川氏 「ForColor」の冊子を読み進んで自分で実践してみると目から鱗なのですが、これは別に魔法ではないのです(笑)。Abobe RGBとApple RGBの違いや商品色をCMYKパーセンテージで考える習慣、といったこれまで『面倒』と思われてきた部分に向き合って正しい知識を身に付けることが正確な色再現への早道ではないかと思いますね。ちなみに、雑誌などではあまり取り上げられていませんが、「ForColor」はRBGデータ全般を扱っているので、デジタルカメラからの画像だけではなく、フィルムのスキャンデータなどにも使えるんです。既存のフィルムを変換するという意味でも、利用価値がありますよ。

編集部 本日はありがとうございました。このwebの読者でさらに「ForColor」について詳しく知りたいという方が居た場合には、どちらに行けば詳しく教えて貰えるのでしょうか?
小川氏 セットショップ店頭でも銀一店頭でも、随時お問い合わせを受け付けています。セットショップではモニタ画面を見ながら作業工程をお話しすることもできますので、バックドロップやセットペーパーといった微妙な色合いの商品に「ForColor」がどう対応しているかを見て頂くことが可能です。買い物ついでにどうぞ。

各種カラーマネジメントツールを販売しているセットショップと銀一では、それぞれの特徴を踏まえた上でお客様お用途に合ったツールをお薦めしています。自分の撮影したデータに自信が持てなかったり、あるいは色に関してデザイナーや印刷所とトラブルに遭った経験をお持ちの方は、ぜひショップ店頭までお出かけ下さい。

製品のお問い合わせ、新カタログの請求:セットショップ
TEL.03-5548-5131
URL:http://www.setshop.co.jp/index2.html


銀一フォトショップB1Fでも販売中:TEL.03-3562-4211