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  『Adobe CSを自腹で買った男: 営業企画今田の渾身レポート』
  日々最新の機材を扱っている銀一社員が、自分の思い入れや趣味で自腹買いした商品をレポートする「自腹レポートシリーズ」。メーカーの思惑とは関係のない、自腹買いならではのナマの声をお届けします。今回は当社海外商品課でカタログ製作の現場に携わる今田直史が、使用5ヶ月目のマイAdobe CS (クリエイティブ・スイート)を語ります。以下は編集部との一 問一答です。
  Q.1) 日常業務の内容を簡単に教えて下さい。また会社でのDTP使用環境と、自宅での環境を詳しく教えて下さい。
A.1) 海外商品課の営業企画担当というセクションで、展示会などで使用するPOPやパンフレット・カタログを社内にて作成しています。最近の作品は、セットショップの2004年版カタログです。ページ数は64、写真点数は1000点を超えるというもので、撮影から色校まで3ヶ月を要しました。
ハードウエアの環境はApple iMac 20inch (G4 1.25GHz / OS 10.3.3 / 756MB)で、これにAdobe CS Standard をインストールして使っています。
自宅ではApple PowerMac G5 (1.8GHz / OS 10.3.3 / 1.5GB)を使っており、これに会社と同じAdobe CS Standard、さらに Photoshop 7.0とIllustrator 10とInDesign 2.0、それにAcrobat Pro 6.0を使用しています。ちなみに、カタログ撮影などに使っている自腹カメラはNikon D100で、これはA4判のカタログ仕事にばっちり使えるカメラとして愛用中です。
 
Q.2) そもそもAdobe CSの購入を考えたきっかけを教えて下さい。
A.2) デジカメやパソコン、プリンタ等は以前に比べて安く手に入れる事ができ、企業内で販促物やWEBが簡単に作成ができる環境が整いました。こうした環境が整ったことで、今後はますます企業内で「撮影→加工→レイアウト」という内製化が進むのではないかと思い、前職(スポーツ用品メーカー)時代から自腹でAdobeのDTPソフトを買って学んでいました。
私は昨夏にPowerMac G5を購入したのですが、このG5に載っていたOS Xが非常に安定していて、その環境(G5+OS X)での恩恵を受けるにはもっと優れたソフトだと思い、前バージョンからCSにアップグレードしました。デジカメの画素数も大きくなっており、仕事で扱う枚数も非常に増えてきて、まず・早さ・・安定性・・他ソフトとの拡張性、を考えると買わずにはいられませんでした。
 
Q.3) PhotoshopやIllustratorの高バージョンを所有しているそうですが、敢えてCSに踏み込む意味とは何でしょうか。そして、そのCS移行によって受けられた恩恵を詳しく教えて下さい。
A.3) 恩恵とは、ズバリ新しいバージョンの新機能です。『こうなったら良いな』と感じていた所が、かなり改善されています。
Photoshop ではまず、「ファイルブラウザ」機能の速さが魅力です。「ファイル開く前にすでに開いている」いう感覚を覚えます。しかも自分のD100で撮影したRAW画像もそのまま加工せずに閲覧できるので、非常に壮快です。この「ファイルブラウザ」の完成度があまりにも高いので、これ自体を一つのソフトとして起動させられたらもっといいのに、と思っています。
 
続いて、16 bitの画像の編集強化も大きなアドバンテージです。調整フィルターも使用可能なので、RAWで撮った写真の階調を可能な限り保持したまま編集できるというのはとても有り難いです。RAWで撮影するメリットを、やっとDTP現場で受けられる事になりました。今までは、『8bit のファイルと16bitのファイルを一緒に開いて、それから8bitのファイルを選択して読み込んで16bitで編集』、とかなりの遠回りをさせられていたのですが、カメラRAWデータをダイレクトに編集できるのは有り難い限りです。
 
また、フィルタのプレビューが見られることも大きなメリットです。しかも複数のフィルタをかけてプレビューが見られることは、非常に作業し易いです。いままでは想像と違っていたら元に戻って直すところを、このCSではプレビューを見ながら完成させられるので、デザインの仕事をしている人はかなり時間短縮が図れるはずです。
他にも「レンズ・フィルター」や「シャドウ・ハイライト」や「レイヤーカンプ」「テキストエンジンの強化」など、両手で数えてもきりがない、「かゆいところに素早く手が届く」機能が山ほどあり、まだまだ使いこなしていませんが(笑)。
 
Illustratorでは、フォント関連とプリント機能がかなり強化されたので安心して使用できます。
「段落スタイル」や「文字スタイル」の登録ができてフォント管理がラクになり、InDesignに近い感覚で文字レイアウトができます。簡単に、しかも綺麗に文字組ができるのはどんなに助かることか・・・・64ページのカタログを作るとこの機能が涙が出るほど嬉しいものです。
またOpen Typeフォントがサポートされたことで、今までDTPの一番やっかいだったフォントの問題が非常にクリアになりつつあるので、安心して作業に打ち込めます。
DTPソフトの決定版として出されたこのInDesignのライバルソフトが、奇しくも同じAdobe製品のIllustratorになりつつあるのではと思います。プリント関係の強化については、具体的にはPhotoshopもIllustratorもInDesignも、すべて似た操作なので直感的に使用できるのは有り難いことです。16bitの画像も8bitに自動的に変換して簡単に張り付けてくれるし、密接に連動しているので、1行程減らして作業できるのは助かります。
 
最後にInDesignでは、ワークスペースの管理、モニタの作業スペースを有効に使えるようになったので、自宅で使用している17インチモニタでも非常に快適に作業できます。
組版の設定パレットなど、まだ私には分からない部分が多々ありますが、かつてのInDesign 2.0に比べたら分かり易くなり、自分で設定してみようかなという気がでてきます。
とにかく、PhotoshopもIllustratorもInDesignも、今回のバージョンアップは細かい所が非常に改善され、またワークスペースが非常に使い易くなっているので、ファイル管理なども含めて作業スピードが格段に上がります。
 
  Q.4) 実態の日常業務の中で『CSを買って良かった』と心から思えるようなシチュエーションがあれば、教えて下さい。
A.4) Adobe CSとPowerMac G5とOS X を買って良かったと思たのは、セットショップのカタログを作成していた時です。まだCSが発売されたばかりだったので、前バージョンと併用していたのですが、写真の点数が非常に多くファイルの管理には非常に苦労していました。
しかしCSのPhotoshop「ファイルブラウザ」のおかげで簡単にファイルにアクセスすることができ、ドラッグ&ドロップにてPhotoshopからInDesignにリンクさせられるので作業時間を短縮でき、そこで浮いた時間を文字入力に費やすことができました。
またPhotoshop+Illustrator+InDesignでのカラーマネージメントやファイルの更新、またVersion Queでのファイルの管理等は同じAdobeならではの機能で驚愕に値します。
またInDesignでのExcelやWordとの連携、Open Typeフォント関連もそうですが、ますますマイクロソフトと連動して、DTP業界やデザイン会社のみならず、このAdobe CSはもはや一般企業での必須ソフトになったと確信しています。
Q.5) このwebサイトを読んでいるフォトグラファーやデザイナーの方達に、使用目的に応じた魅力をアピールして下さい。
A.5)まず、コマーシャル分野のフォトグラファーでデジタルで仕事をされている方には、もう絶対にCSを買う事をお薦めします。もはやソフトウェアも、カメラと同じ商売道具であるという認識を持っていただきたいですね。PhotoshopとIllustratorとテキストエンジンが一緒になったので、PhotoshopでのテキストがそのままIllustratorで編集可能なので、色々な汎用性があるのではないかと思います。またCamera Rawも入っていますし、カメラの対応機種もインターネット上で随時更新されています。
またデザイナーの方には、レイヤーカンプの機能や、作成できるレイヤーの枚数も大幅に増えたので大変重宝ではないかと思います。私個人的には、撮影した写真にフィルターをかけたり色を変えたり、合成したりと加工するのが好きなので、このレイヤーカンプ機能は非常に役立っています。
いずれにしろ「作業効率を高める」「撮影後の処理にかける時間を短縮する」という事を考えると、決して値段の高くないソフトだと思います。
 
  Q.6) このAdobe CSでカンプ出しをしたい場合、例えば他にどういうものが必要になりますか?
A.6) 私がセットショップカタログ作成時にAdobe CSとともに使っていたのが、Nikon D1Xカメラと、EPSON PM-4000PXというプリンタでした。カタログ作成時のカラープロファイルはForColorを使用していますので、Mac側にはMacOS X対応の「EPSON ソフトリッパープラス2」をインストールしていました。これがあれば、ForColorプロファイルによる撮影→カンプ出し、という手軽かつ正確なワークフローが整いました。PM-4000PXの実販価格は約エ60,000、「ソフトリッパープラス2」はエ50,000です。つまり約エ110,000でポストスクリプトプリンターが買えるなんて、数年前ではまるで考えられない事です。セットショップカタログでこのForColor環境のカンプ出しの利便性を実感したので、現在は自宅に個人用のPM-4000PXを置くことを検討中です(爆笑)。
 
Q.7) Adobe CSを導入することを考えた場合、使用環境はどういったものを揃えるのが理想的でしょうか?
Q.7) まず間違いなくPowerMac G5 + OS X(10.3)を選択すべきです。G3やG4でも仕事が出来なくはありませんが、それらのマシンスペックでは大きな負荷が掛かり、いっそ旧バージョンで作業した方がベターです。さて、デジタル一眼レフは出版市場でのマーケットの大半をさらった感がありますし、画素数とデータ量、それに撮影枚数はますます増えます。こうしたなかで、いかに早く効率的に仕事をこなすか、というのがプロにとって大きな営業力のポイントになります。つまり、撮影から納品までのスピードがこれまで以上に重要になっており、そこでPowerMac G5というパワーが必要になるのです。現在の市場に出ているパソコンの中では、Adobe CSを走らせるのに適した機種といえばこのG5以外には考えられません。
動作速度だけを考えればWinでも快適に動くと思いますが、「色」の管理という部分を考えるとやはりPowerMac G5しかありません。MacOS X (10.3)ではColor Syncも充実し、「Font Book」「Expose」「ファイルのラベル機能」の復活など、スペック表に現れない部分のバージョンアップで更に快適にデジタルライフを過ごせるのではないかと思います。
私はPowerMac G5の上で「Adobe CS」を使う際、単なる「ハードウェア」と「ソフトウェア」の関係とを遙かに超えた、芸術性と美学さえ感じます。フォトグラファーにとって現時点での最良の選択、それがこのG5+CSというコンボなのです。
 
実戦に裏打ちされたインプレッションをありがとうございました。今後ともApple&Adobeにどっぷりはまって、そこで得た知識と技術を営業企画に活かして下さい。