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  「今が買い時!!! Nikon D2Hを自腹で買った男 銀一デジタル侍・柳下に聞く」
   

 毎日、職場で最新機材を扱っている銀一社員が、趣味と情熱で自腹買いした機材をレポートする「自腹レポート」シリーズ。メーカーの提灯記事ではない、ナマの声がご好評を頂いています。今回は当社ショップの柳下隆之が、使用1ヶ月目のマイD2Hを語り尽くします。【photo: VR24-120を装着したD2Hヤギシタモデル】

Q.1) まず、「えーっ、買ったの!?」とのが正直な印象です(笑)。自家用にデジタル一眼ですか? COOLPIXじゃダメですか???
【photo: 愛息をD2Hで撮ることが目下のストレス解消!?】
A.1) デジタル一眼の導入は、子供の成長記録用に中古のNikon D1を購入したのが始まりなんです。それまでは、学生の頃からの愛機Nikon F4sを使用していましたので、デジタル一眼ユーザーになってからはまだ一年半の未熟者なんです。
もともと写真を撮るのが大好きで、自宅ではいつも手近な場所にカメラを置いています。特に、我が家の専属モデルはとても気まぐれなので、食事中でも昼寝中でも、良い表情の時は思わずシャッターを押してしまいます…どうぞ親バカと呼んで下さい(笑)。
しかしつい沢山撮ってしまい『このままでは写真が整理しきれない』『感材費も馬鹿にならない』と考えて、フィルムからデジタルへのスイッチを考えました。ただ、性能的にコンパクトデジカメでは満足出来ずに、一眼レフタイプを購入したのです。機種は色々考えましたが、シャッターの切れ味やファインダーの見易さからNikon D1を選択しました。私は最初から300万画素程度の機種を検討していたので、中古相場が大幅に下がったD1は魅力的でした。同等他社のCanon D30は当時の優等生ですが「機械としての魅力」が薄く、私は学生の頃からNikon党でしたのでD1で迷いはありませんでした。
 

Q.2) ではそのNikon D1をなぜ手放したんですか? そしてD70なども選択肢あるのにフラッグシップ高速デジタル一眼・D2Hを選んだワケを教えて下さい。
【photo:街歩きやデパートでの買物の時も、常にシャッターチャンス!】
A.2) D1は満足度の高いカメラでした。バッテリーが持たないのも、WinEnergy (DSLR用外部電源)を導入してからは全く気にならなくなりましたし。画質に関しても満足です。私は大きくしてもキャビネ位までですから、274万画素で充分なんです。液晶の見難いのだけは、最後まで苦労しましたけど。でも子供というのは成長が早くて、1歳過ぎてから動きが速くてD1では追いきれなくなったのです。子供を連写していて、レリーズタイムラグ等のカメラの性能限界が見えてしまった、という(爆笑)

  それで今夏から真剣にD2Hを考え始め、中古なら20万前後で買えるまで相場が下がってきたので、新品か中古かでも悩みました。
悩んだ挙げ句、実はそのデジカメ資金でトヨフィールドの4x5を買ってしまいました。ずっと前から欲しかったんですよ、フィールドの4x5が…。最近は4x5を手放す方が多く、これまた相場が下がっていて、この機会にと購入しました。
で、その2ヶ月後に弊社ニコンセールがスタートし、大幅な価格改定がありました。D2Hの新品が中古並みに安くなって…即買いです!!! D2Hはフラッグシップだから買ったという感じではないんですよ。単に自分にとって必要なカメラがD2H、そしてそれが射程範囲の価格に入ってきたという事なんです。(銀一ニコンセール2005年1月31日まで開催中・D2Hは現金特価でかなりお買い得!!)
 
 

Q.3) 職場ではキヤノンEOS-1D MkIIや同1Ds MkIIなどが売れているようですが、なぜ発売後1年を経過した今この時期にD2Hを選択したのでしょうか。また、来年1月発売予定のD2Xへの憧憬はありますか?
【photo:トビを抑えた露出を心がけ、それでも収まらない時はNikon CaptureでRAW補正】
A.3) D2Hの最大の魅力は画素数です。「えっ?」と思う方が多いと思いますが、私の用途は純粋に子供の成長記録なんです。記録写真をA3に伸ばす事はなく、プリントもキャビネ程度です。そう考えた時、『綺麗な300万画素程度のカメラ』が自分にとっての適正スペックだったのです。
多くの方が、「画素数イコール画質」と考えています。それは確かに一理ありますが、シャープな400万画素ならば解像度の低い600万画素を裕に上回るのも事実なのです。画質とはローパスフィルターの性能や、A/D変換の性能次第で大きく変わります。ならば、少ない画素数で綺麗なデータの方が保管には有利なんです。
D2XやD2H後継機種(D2Hs?)にも興味は有りますが、800万画素以上だとデータ量が倍以上ですから、今度はデータの保管場所に困ります(私は毎週100枚RAW画像を保存しますので)。
同僚からは『JPEGで撮ったら?』なんて言われますが、普段の撮影はすべて《RAW》で撮っています。撮影時に細かい事は気にしたくないんです。それに、インクジェットプリンタも日々進歩していますから、最新機種に買い替えた時に、最適なデータ取り出したいとの考えもあります(カラーマネジメントされていれば、本来は不要かも知れませんが)。

 
Q.4) 今回買ったD2H以外の、自宅カメラ布陣を教えて下さい。また、D2Hへの資金繰りのために売ったカメラがあれば、それも教えて下さい。
【photo: カメラリストラを生き残ったFM2/T一式】
A.4) 愛機だったNikon F4s・AF24mmF2.8D・AF35-70mmF2.8D・AF80-200mmF2.8DそしてD1ボディを売ってしまったので、35mmタイプのカメラは実にシンプルな構成です。D2Hの性能を考えるとレンズも買い換える必要性を感じたので、一緒に手放しました。
現在所有しているのは、D2H用にAF-S VR 24-120mmF3.5-5.6Dと、フィルムカメラのNikon FM2/T(モードラ付き)・Ai45mmF2.8PそしてVoigtlander カラーへリアー75mmF2.5です。
その他に、Mamiya 645Pro一式と前述のトヨフィールド45A+レンズ数本を持っています。正直なところ、趣味の風景写真は645で撮る事が多いです。ただ、645では物足りなくて、フィールドの4x5を購入したんです。今年の冬はジックリと撮影に取り組みたいと考えています。
 
Q.5) 柳下さんが個人的にデジタルカメラに求める要素とは何ですか? またこのD2Hを使っている自宅Mac環境、そしてソフトウェア上の画像展開からプリンタ出力などのワークフローを教えて下さい。
A.5) ご存じの通り、デジタルのデータには日時情報も埋め込まれています。これは記録写真として重要な事です。子供の成長記録だけではなく、自分自身の生活記録としても、撮りっぱなしで日時まで分かるのは、無精者にはありがたい限りです。
私にとってのデジカメとは、メモ帳的な存在です。とにかくガンガン撮って、お気に入りだけ残して後はさっさと消す・・・ですから、ラフに使える丈夫なカメラである事が最重要なんです。シャッターラグ然り操作性然り、耐久性然り、チャチなカメラでは安心して使えないんです。普段使いのメモ帳にこそ、もっとも手に馴染んで信頼を置けるモノを使いたいんです。
自宅のMacは、6年前に購入した旧型PowerMacです。当時、かなり奮発して買ったマシンですが、愛着だけは強いんですけど今ではとても遅くて悲しいです。今年はカメラを買ってしまったので、このMac環境は来年投資したいと思っています。
RAW現像にはNikonCapture 4を使用しています。当たり前ですが、一番相性が良いと思います。実は他社の現像ソフトには使い勝手が良くないモノもありますが、NC4は良く出来ています。
モニタは17inchをデュアルにして、Monaco Spyderでモニターキャリブレーションしています。
プリンタはEPSON PM-4000PXにEPSON純正紙+純正インクを使用し、純正プロファイルで出力です。EPSONプリンタに標準添付されるPhotoQuickerソフトも多用します。友人にプレゼントする写真の時はもっぱらこのPhotoQuickerのらくちん出力です。カラーコントロールを気にしなくても綺麗に仕上がりますし、同時プリント的な考え方ですね。
私はコダワリは「適切な画素数から最大限の画質を引き出す」ということです。ハードディスクやCD-Rなど記録に掛かるコストもタダではありませんし、不必要に高画素なデータはワークフローを阻害するだけだと考えています。
 
Q.6) D2Hをマイカメラとして使うにあたって、自分で設定しているカスタムセッティングや、レンズや周辺機材、ストラップ、バッグやCFカードのブランドも教えて下さい。
【photo: フィルターにはステップアップリングを併用】
A.6) D1の頃から、メインとサブコマンドダイヤルは入れ替えて使っています。撮影時は絞り優先モードなので、親指でカリカリッと絞りが変更できればシャッターチャンスを逃しません。諧調補正は光線状況しだいで適当なものにチェンジします。
D2Hは高感度時のノイズが多いので、ISO400以上は使いません。でもそこはVRレンズとの併用しているので、絞り3段分ぐらいはカバー出来ます。手ぶれ補正についてはキヤノンのISの方が格段に優秀だと思っていたのですが、ニコンのVRも意外と使えるので驚きました。
あとは自分なりの工夫として、赤外線反射フィルターとフードの加工があります。これは米国Tiffen社が製造しているフィルター(キヤノンブランド)で、淡いピンク色の外観が特徴ですが、D2Hの暗部の色カブリを抑えてくれます。どこまで効果かがあるのか未知数なので、気分の問題かもしれません。自分的には黒が締まるという印象を持っています。このフィルターは77mm径なので、ケンコーのリングをかませてVR24-120mmに装着しています。
 
【photo:バヨネットを移植した28-70フード(左)と、24-120の元フード(右)※改造は自己責任で行って下さい】
フードはDXフォーマットでケラレないギリギリの長さを計算して、VR24-120mm用フードのバヨネット部と、28-70mm用のフード筒部を継ぎ合わせた改造品を作りました。本当はカメラの取り回しを考えてもっと細い径が欲しいので、ちょうど良いものをさらに検討中です。普段カメラを持ち出す時は、一般的なストラップは使いません。OP/TECH製のシステムコネクターを使い、デイパックやベビーキャリアのDリングにカラビナでカメラを保持するのです。実は以前首からD1を下げていた時に、子供を抱き上げようとして子供の頭にカメラが当たった事があったんです。それで反省して自分なりに考えたのがカラビナ方式です。
 
 このカラビナ式は山歩きされる方にもオススメです。歩行時にカメラを高い位置に保持出来て足下がよく見えますし、岩角等にカメラをぶつける事も無くなります。OP/TECHなら、すぐにネックストラップに取り付け出来ますから、ストラップ本体をどこかに用意しておけば、ザックを降ろしてもすぐにカメラを首から掛けられます。
【photo: カラビナから下げられたD2H &24-120mm】
近所にサイクリングに出掛ける時には、FoxFireのカメラパックを愛用しています。このパックは防水でしかも体に密着出来るので、サイクリストの方には試して頂きたいアイテムです。私は仰々しいカメラバッグは嫌いなので、出来るだけ手軽そうな物を試しています。

【FoxFireのカメラパックはネオプレーン製で耐衝撃性に優れている】
CFカードはプリテック(現在は取扱い休止)の512MB一枚です。D1購入当時、比較的安かったので購入しました。これ一枚でRAWを100カット程撮影出来るので、一日中撮影する時は、このカード容量以上は撮らない様にしています。不要な画像は都度消してしまえば、充分な枚数が撮影できますしね。

 
Q.7) 購入後1ヶ月経ち、今改めてD2Hに100点満点で何点を付けますか?
【photo:大型液晶は画像選択もラクに行える】
A.7) 自分的には100点満点です。私の腕で使いこなせる以上の性能がこのカメラに備わっているのは明白ですし(笑)、もっと自分の精進が必要ですね。強いて欠点を挙げるとすれば、シャッターを押すのが楽しくて撮り過ぎてしまう事ぐらいですが、液晶が大きくピント・構図の確認も楽ですから、その場でガシガシ要らない画像を消去出来ます。結果的に良い写真が沢山残せるので満足しています。この利便性がデジカメの醍醐味なのですが、液晶が見難いカメラだとこの辺がちょっと辛いと思います。

カメラの造り込みについては、「さすがニコン」と感心しました。例えばアイピースは、アイピースシャッターを閉じないと外れない構造になっています。落とし易いパーツだけに、こういった配慮は助かります。またターミナルキャップの収納部分も、仕事で使う方達には嬉しい配慮ですね。ユーザーの声を真面目に聞いてる会社でなければ、ここまではやらないでしょう。とにかく、使い込む程に良さが分かるカメラです。
【photo: アイピースのロック機構には感涙】



【photo: (右)のターミナルキャップが、ボディ側面ゴム蓋の裏側に(左)...また感涙】
 

Q.8) キヤノンとニコン両社で高画素機と高速機が揃った今、D2Hはどういう目的の人に薦められますか?
【photo: ポートレートにちょうど良い画角という45mmを装着したD2H】
A.8) D2Hは皆さんご存知の通り、発売当初から《不運の売れないカメラ》といった感じで一年が経過し、今なお存在感の薄いカメラです。私には発表当時から気になる存在でしたが、当時で400万画素という低い画素には疑問がありました。『このスペックでは今後のニーズには応えられない』と思いましたし、高感度設定時のノイズが致命傷とも感じていました。
ただ、自分自身でデジタル一眼を使い始めてから、少しずつ考え方が変わりました。『自分にとっての必要画質とは』『用途が求めるスペックとは』、お客様と向き合う中で、コマーシャル用途には当たり前に考えていたスペックが、自分用としては少し違うことを認識しました。

デジタル一眼選びのキモは、とにかく用途に適した機種を見極める、という事です。例えば、拡販用チラシの撮影に1200万画素は不要ですし、600万画素でも大きい位でしょう。そして取材仕事が多い方ならば、いちいちホワイトバランスを計る余裕は無いでしょうから、RAWモードが活きてくるはずです。例えばRAW+JPEGで撮影しておき、色が気に要らない画像だけをRAWから画像を取り出すのが現実的な方法ではないでしょうか? 普段はオートホワイトバランスに任せていてO.K.ですから、こうする事によって作業を最小限に押さえられます。念を押しますが、低画素でRAWが使えるカメラは今後発売されないでしょうから、D2Hを新品で買える今がまさに買い時です!!!【photo: ボディにはクイックリリースを装着するのがヤギシタ流とか】
 
Q.9) 最後に、上記で聞き漏らしたようなアピールがあれば是非お聞かせ下さい。
【photo:昼休みに銀座の街角を記録するのも楽しみの 一つ。「古いビルが減り、味のある路地も減っている」と好んで裏路地を撮り歩く】
A.9) ちょっと、話が長かったですか? 私的にはもっとしゃべらせろという感じですが(爆笑)。とにかく、これだけ高性能なカメラが20万チョットですから、ニコンも思い切った事をしたと思います。
この値段は次期モデル発表前の売り切り価格だと思うので、1月中にはD2Hのメーカー在庫が無くなりそうです。ですからこの記事をご覧になって購入を検討される方は急いで下さい。そしてボディを安く買ったら、余ったお金でDXレンズを揃えて下さい。同じFマウントは言っても、従来のフィルム用レンズとは明らかに解像力が違います。特にAF-S DX17-55mmはD1Xユーザーにも御奨めしたい逸品です。これを使うとカメラが別物に感じます。私も現在検討中です・・・物欲が止まりません(笑)。
 
Q.10)今日はどうも有り 難うございました。
A.10)こちらこそ、長い時間ありがとうございました。この話をもっとお聞きになりたい方は、ぜひ店頭までお越し下さい。(取材&構成:編集部)
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