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  2006 パリ・コマーシャルスタジオ&ドイツ・フォトキナ視察レポート
銀一フォト機材営業部:松本寿夫
   
 

 今月のTIPSは、弊社フォト機材営業部の松本が、フランスの商業スタジオとドイツ・フォトキナ展示会
を視察してまとめた見学記をお届けします。弊社は20年前にはProfoto社(プロフォト : 本社スウェーデン・ストックホルム)製ストロボの輸入元だった事もあり、現在でも正規販売店を務めています。その関係で、今回はProfoto製品に造詣が深い松本がProfoto社主催のツアー(フランスのスタジオとドイツ・フォトキナ見学)に誘われ、初めてのヨーロッパ上陸を果たしました。

 
【出張初日:9月21日】
  この出張はKLMオランダ航空を使って行ったのですが、日本から最初の到着地パリまでは15時間。ほぼ一日が移動で潰れる感じで、セキュリティ通過や手荷物を持っての乗り換えなど、初日は結構疲れました。しかし第一到着地オランダ・スキポール空港もパリのシャルル・ド・ゴール空港も、多くのアジア空港や北米空港のような雑然とした感じはなく、機能的で清潔な雰囲気だったのが印象的でした。

KLMオランダ航空機内より、雲海撮影。高度1万mで、 外気温-63度C。シベリア大陸もわずか数時間で横断。






パリのシャルル・ド・ゴール空港で見かけた、 ファッションブランドの広告塔。ご当地だと、場の空気にぴったりマッチして見えるのが不思議。









今回パリで泊まったホテル(Best Western France)。パリには約1500軒のホテルがあり、その多くは築50年以上の古い建物です。


 

【パリ市内にあるレンタルスタジオ視察】






【左】最初に訪れたPIN-UP STUDIO(ピンナップスタジオ)。
【右】PIN-UP STUDIOの受付。

 PIN-UP STUDIO(http://www.pin-up.com)。ここはセーヌ河畔のパリ23区、パリで最も有名なレンタルスタジオです。以前はプジョーのガレージだった建物で、そのため駐車スペースが充分に取られてるのがウリです。駐車スペースが銀座以下に少ないパリでは、広い駐車場を確保しているかどうかがスタジオとしての生命線なのだそうです。館内受付に行くと当日のスタジオ使用スケージュールが壁面タイルにじかにマーカーで書き込まれており、実に洒落た雰囲気です。安直にホワイトボードなどを掛けてしまいがちですが、ここではヒネリの効いたやり方でスケジュール表そのものをディスプレイとして見せているのです。ファッショントレンドの発信基地であるパリのスタジオだけあって、館内の雰囲気はバッグンでした。

 この日は4面あるスタジオのうち、2面とデジタル・ レタッチング・ルームを見学。スタジオ天井には吊り物などが一切なく、東京のスタジオと比較して至ってシンプルです。東京のスタジオを見慣れた目から見ると、ここは明らかにデジタル化が遅れている様子で、館内にはまだE-6ポジやC-41ネガを処理する自動現像機が稼働しているので驚きました。スタジオマネージャに話を聞くと、今後1〜2年の間で設備投資を行ってハードとソフトの両面を充実させたいとの事でした。

 東京と比べてもう一点珍しかったのが、スタジオ内の備品機材がとても少ないことです。パリでは、カメラマンは機材をレンタルショップで借りてきてからスタジオに持ち込むのが普通なので、スタジオ側が機材を保有することは少ないそうです。スタジオのマネージャー曰く『ネット時代になったので、顧客がいつでも何所からでも簡単に機材をレンタルし、スタジオの予約も行えるように世界中のレンタルスタジオやレンタルショップと業務提携化を図りたい』との事。着想は素晴らしいが、誰が旗振りを行うかがキーとなるでしょう。


実にあっさりした印象の機材庫。


【左】パーマセルの備蓄も、それだけでオシャレに見える?
【右】機材庫の貸し出しスケジュール表も、受付と同様にタイル書き。


【左】ラウンジには何故かサンドバッグが釣るされていました。
【右】カフェテリアの天井ダクト跡にはライトを仕込んでありイベントスペースとしても使用可能。


【左】PIN-UPスタジオから出て少し歩くと、すぐにセーヌ河に出ます。
【右】パリは地上に駐車場がほとんど無く、歩道脇に停めるのが普通です。パリの住人が小型車を選ぶのは、 必然の選択なのか?


 

【パリでの二軒目、スタジオ・サラ】

 ここは40年前はテニスシューズの工場だった場所ですが、それを現オーナーが買い取りスタジオとして 改装オープンさせました。ここは日本で言う「ハウススタジオ」で、フローリングなど建物内装は敢えて手直しせずに40年前の雰囲気をウリにしています。ここでは、使える機材は古くても大事に使い続ける習慣が徹底されており、大昔のストロボなどが現役で発光しています。




【左】特徴ある壁面は、そのまま撮影バックに使われる事もあります。
【右】スカイライトが活かされた採光。



【左】右側がスタジオのオーナー、中はProfoto Franceスタッフ。

【右】日本のスタジオから比べると20年は遅れていそうな設備。

 Profotoフランス支社の好意でパリ市内のスタジオを数軒見せてもらった後は、せっかくなので市内名所を回ってきました。パリは何処を撮っても絵になるので、被写体には困りません。


【左】銀座にも支店がある、メゾン・ドゥ・ショコラ。
【右】プランタン・パリ本店。プランタン銀座のイメージとは結びつかず、最初は気付きませんでした。



【左】その老舗プランタンの屋上より、「トゥワ・エフェール」(エッフェル塔)を望む。これぞパリという雰囲気で、多くの写真家がここに立ってレンズを向けたのも納得出来ます。
【右】シャンゼリゼ通りのルイ・ヴィトン。付近は中国人観光客が目立ちました。


【左】通りで見付けたジダンの広告。サッカー好きとしてはハズせない1カットです。
【右】この日の晩は、シャンゼリゼ通り沿いのカフェで生牡蠣を食べました。


 

【パリ滞在三日目:観光】
  パリに来たら美術館はハズせません。市内には多くの美術館がありますが、ここルーブル美術館はもと もとは王家の美術品・書籍の保管場所であったものが、仏革命後に美術館として市民に公開されたのが始まり。世界三大美術館のひとつで、約30万点の作品を所蔵しています。


【左】日本の美術館と違って明るい館内が印象的です。
【右】ミロのヴィーナス像。自由に写真が撮れるところが国民性の違いを感じさせます。



  セーヌ河畔の古本屋街:ブキニストと呼ばれる古本屋。古本を中心に、古地図や写真集などアンティークなアイテムが並んでおり、見ていて飽きません。









ルーブルのあと、カフェで昼食後に注文したティラミスはコレが一人分・・・。





完成までに200年を要した、フランスを代表するゴシック建築・ノートルダム寺院。










オルセー美術館。ルーブルと違い、こちらはかつて鉄道駅だった空間をそのまま利用した美術館。パリ では日曜日は美術館が割引料金になり、さすがアートの都といった感じ。この絵画はエドゥアール・マネの「笛吹く少年」。


 ご存じ、ルイ14世が巨費を投じたキンキラのヴェルサイユ宮殿。仏革命までは優雅な
宮廷文化の花が咲き誇っていた。日本では、ルイ16世の王妃マリー・アントワネットが登場する「ベルサイユのばら」で一躍有名になった。


 

【ドイツ・ケルン市入り】
 フランスに4日間滞在した後、フォトキナ展示会を 視察するためにドイツ・ケルンに移りました。ケルン市は、世界遺産にも登録されているケルン大聖堂とケルン中央駅、そしてフォトキナの会場であるケルンメッセが街のひとつの中心を成しています。街全体の雰囲気はパリとは大きく異なり、簡素で機能重視なイメージを受けました。


ケルンで滞在したホテルの部屋とホテル近郊風景。



【左】ケルン大聖堂から望む街並み。中央の橋の左奥がメッセ会場。
【右】世界遺産・ケルン大聖堂は外観も内観も圧巻の一言。地震の国の住人には信じられない建築様式です。


 

【フォトキナ会場にて】
 
フォトキナについては既に各種雑誌やネットに記事が載っていますが、世界中からカメラ・用品・ソフトメーカーなど約1600社が出展しており、会場は総面積20万 と広大。あまりにも広いため、会場内移動はシャトルバスを利用します。東京のPIE同様に、キヤノン・ニコン・富士フイルム・オリンパス・ペンタックス・カシオ・パナソニック・サムソンなど、大手カメラメーカーのホールはかなりの賑わいを見せていました。



【左】Profoto社のブースは、モノトーンを基調にメタリックなディスプレイを展開。バッテリータイプのPro-7bが人気を集めていました。
【右】Profotoとかつて覇を争っていた、フランスBALCAR社のブース。

D80の巨大な模型が飾られて話題を呼んだ、ニコンブース。

 










  今回は約1.5日間という短時間でフォトキナ内をピンポイントに視察しましたが、特に印象に残ったのが素性の知れない中国のストロボメーカーやレフメーカー。有名メーカー品のデッドコピーをそのまま出
展する厚顔さに、開いた口が塞がりません。一日目はプロフェッショナル向け製品を重点的に視察しましたが、コッキンのブースにあったバルカーがかなり元気がない様子。逆にProfotoの方は、多くのブースに機材を貸し出して宣伝しているのが目に付きました。Profotoは今後、本国スウェーデンをはじめ、フランス・日本・ドイツ・英国を「Aクラス国」に設定し現地法人化を徹底して、世界シェアを狙うそうです。

 Profotoブースに飾られた新製品、Profoto AcuteB 600
 Profoto社のバッテリータイプストロボ新製品。これはバッテリーが取り外し可能で、本国ではラジオスレーブ内蔵と非内蔵の2タイプが用意されています。これはバッテリータイプとしてはこれまでにない軽量タイプで、私が見た中では今回のフォトキナでイチオシの逸品でした。日本では、10月23日にスウェーデン大使館で発表会を行うそうです。

Profoto AcuteB 600仕様
出力:9〜600Ws(約7絞り相当)    チャージスピード:600W時・約2.6秒
発光回数:フル発光で160発    充電時間:5時間(フル)
サイズ:19×19×13cm         重量:約4.9Kg(バッテリー込)
11月発売予定:価格未定



【左】ケルン大聖堂の真下にあったカメラ屋は、さすがにライカが充実。

【右】フランス・パリがセーヌ川なら、ドイツ・ケルンはライン河。

ケルンで食べられる日本料理と言ったらココ、「大都会」(ベニハナ風)。

 今回私は約10年ぶりの海外で、しかもヨーロッパは生まれて初めての訪問でした。パリにはたった4日間の滞在でしたが、街中にヨーロッパの歴史と文化の息吹が今も感じられ、私はいっぺんにパリの大ファンになりました。パリはどこも石畳で、何百年も前の寺院や教会が立ち並び、カフェでは人々がコーヒー1杯で好きなだけ時間を過ごせる(少なくともそのように見える)のが実に羨ましいと思いました。また世界的な美術館で名高い作品を実際に目にしたときの感動はずっと薄れることはないだろう、というぐらいインパクトのある経験でした。

フォトキナについては、力を付けているメーカーとそうでないメーカーの二極化が進んでいる模様で、デジタル・フィルムを問わずにどれだけ顧客自身さえ気付かなかった「隠れたニーズ」を掘り起こして製品化出来るかが生き残りの鍵になっているようです。
国産カメラメーカーは単にキヤノンとニコンの覇権争いという図ではなく、そこに極めて趣味性の高いレンズを投入するペンタックスも評価されていますし、家電ブランドが放つ一眼レフにもヨーロッパの注目が集まっていました。あのライカ社も他社に約10年遅れて市販向けのレンズ交換式デジタルカメラ(モジュール型カメラバック)とM型のデジタルタイプを発表、これまでの同社ユーザーにどこまで浸透するかが見物です。ユーザーが期待していなかった(あるいは諦めていた)意外性のある商品・サービスが提供出来れば、王道ブランドに負けずにユーザーに支持される、しかしその為には完成度の高いものを速いペースで出す必要がある、という事を感じた展示会でした。


 

最後になりましたが、今回はスウェーデン・フランス・日本各国のProfoto社のスタッフの御協力でスタジオや展示会を見て回れましたので、その謝辞を述べてレポートを終えたいと思います。


 

文責:銀一株式会社フォト機材営業部 松本寿夫

  1987年に銀一入社。当時は銀一がProfoto社日本総代理店だったため、営業担当としてProfoto製ストロボの拡販に携わる。海外商品部を経て、現在は法人担当営業としてスタジオ設備及び機材を販売している。 過去20年のProfotoストロボ各モデルに精通し、一貫してProfoto製品をプッシュしている職人肌。Profoto製品及びスタジオの設計・施工については下記までお問い合わせ下さい。


銀一フォト機材営業部:TEL.03-5159-7025 FAX.03-3562-2055

   
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