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  ニューヨーク・LOWEL社 & ラスベガスNABショー訪問記
   
 

『最近のTIPSは旅行記と自腹購入記事が多いね』『カメラ雑誌みたいな内容になってきている』とお客様からご指摘を頂いているTIPSですが、今月もそのご声援(?)に応えて出張記をお届けします。

今月は海外商品部・肥後が、今年から銀一が輸入元となった米国の照明メーカー・LOWEL(ローウェル)社への初訪問と、世界最大の放送機器展示会「NABショー」の様子をレポートします。

  はじめまして、海外商品部の肥後です。
今回は私にとって初ニューヨーク、そして6年ぶりのラスベガスとなった今回の出張。バタバタと準備をしながら、落ち着く間もなく出発となりました。
この出張は4月中旬に出掛け、日本では少しずつ暖かくなってきた頃でした。ところが、約15時間の飛行を終えてやっと降り立ったニューヨークJFK空港では予想だにしなかった冷たい豪雨。薄着で来たことを後悔しつつ、まずは宿泊先である国連本部そばのホテルに直行しました。
 
【ホテルの部屋からの景色。下に見える広場が、国連本部の広場です。】

【到着翌日は、時差ボケで予定時刻より早く起きてしまいました。】
 

●ニューヨーク・ローウェル社訪問

到着翌朝、ホテルそばのカフェで朝食後、LOWEL(ローウェル)社のアジア担当のBrett氏に案内され、タクシーでニューヨーク・ブルックリンにあるLOWEL本社に出向きました。
LOWELの本社と工場は旧米軍補給基地の敷地内にあり、建物は歴史を感じさせるシブイたたずまいです。LOWELはこのビルの最上階にあり、広い廊下には壁面に昔のカタログで使われた商品のイラストなどが掛けられており、同社の歴史と格式を表現しています。
この建物は一部が現在でも米軍に使われているため、ビル外観は撮影禁止でした。ここで外観を皆さんにお見せできないのが残念ですが、実はこのビルの内部は映画『ブレードランナー(公開:1982年)』の市街地シーンのロケ地として使われたそうですので、興味のある方はインターネットで探してみてください。(正式なビル名は「Brooklyn Army Terminal」)

さて、ビル自体を紹介出来ない代わりに、LOWEL本社の風景を数点紹介します。

 
【オフィスの廊下は、お洒落なグラフィックスが飾られています。】

【会議室の壁面には、LOWEL製品のパテント認定書が多く飾られていて圧巻です。】
 
【社内のショールーム。ほぼ全ての製品が展示されています。】

【LOWEL社のBrett Smith氏と。】
 

LOWEL社はRoss Lowellによって、1959年に照明メーカーとしてニューヨークに設立されました。以来、そのライトおよびアクセサリーは映画・ビデオ・コマーシャル写真などあらゆる分野において世界中で愛用されています。
独創性に富んだLOWELのアクセサリーの多くは、同業他社照明メーカーがLOWELのアイデアを拝借して自社ブランドで同種のモノを発売するほど、LOWELはライティング業界でリーダー的な役割を果たしています。

LOWELには幾つか代表的なモデルありますが、ブランド全体としての特徴は「小型・高出力」ということです。現在販売されているLOWELライトの多くは軽量コンパクトで明るく、また製品のデビュー当時からその姿をほとんど変えることなく現在まで作り続けられており、いかに設計当初のコンセプトが完成されていたかがうかがえます。

現在LOWEL社では、Omni Light(オムニライト)、Tota Light(トータライト)などといった定番モデルの他に、LOWEL RIFAと呼ばれるリファーライトを生産しています(※リファーは日本ではSDブランドから発売され、同社の登録商標です)。また、デザイン性に優れた蛍光灯照明FLUO Tech(フローテック)なども彼らの製品ラインの中心となっています。銀一では、今後随時各モデルを発売・紹介していきますのでご期待ください。

 

●本社ではミーティングとともに、工場スペースを見学

LOWELはニューヨークという世界最大都市にありながら、いまだに自社内でライトのソケットの取り付けから出荷までを行っており、一行程ごとに専任者が組み上げていました。すべての工業製品がアジアで大量生産されるこの時代、ニューヨークのLOWELで見た意外なまでの「MADE IN U.S.A.」体制は、訪問して初めて分かった大きな驚きでした。
現在の工場は前記のブルックリンの港湾地帯に立地していましたが、もともとはブロードウェイの目抜き通りに面したビルにに本社を構えていたということで、これも驚きです。

 
【300平米はあろうかという組み立て工程で働く工員達。】

【完成した製品は箱詰めされて、出荷を待っています。】
 
【当日工場を訪れていたシンガポールのLOWEL代理店のスタッフとともに、工場内を見学しました。】
 
 

LOWEL社ではこうした古き佳き生産体制が敷かれていますが、一方でインターネットを利用した商品紹介にも熱心です。現在はwebを利用して製品の使い方を紹介しており、様々なライティングテクニックを御自分のパソコン上でシュミレーション出来るようになっています。このTIPSを読んだ後に見てみてください。

【当日工場を訪れていたシンガポールのLOWEL代理店のスタッフとともに、工場内を見学しました。】

LOWEL社トレーニングwebサイト:
http://www.lowel.com/edu/

 

●ラスベガスNABショー(全米放送機器展)視察

【NABのゲート付近の看板。】

 

さて、LOWEL社で二日間商品説明を受けた後、時差ボケも醒めないまま今度はラスベガスへ。ラスベガスでは、ニューヨークの寒さとうって変わってTシャツ一枚でO.K.です。日中は30度を超し、さすがは砂漠地帯といったところです。
ここでは、LOWEL社も出展するNABショーが開かれるので、私もLOWELスタッフとしてブースに立つのです。

NABとは放送機器業界における、世界最大規模の展示会です。写真業界でいえばフォトキナに匹敵するほど、大きな規模で開催されます。
ここではビデオカメラのメーカーや三脚メーカーをはじめ、NHKやCBS、NTTといった全世界の通信・放送・映像関連のメーカーおよび全米のおける販売代理店が出展し、今年も各国から多くの来場者が集まっていました。

今年のNABショーで一番目立っていたのが、「RED」というまったく新しいコンセプトによるモジュール方式のカメラでした。常識を破りの低価格・高品質を実現したこのカメラで撮影されたデモ映像を見た来場者達は、みんあ興奮気味にブースを出て来て口々に「素晴らしいカメラだ」と褒めていました。

レッド・デジタルシネマ http://www.red.com/

 
【REDのブースは展示期間中超満員でごったがえし、入場制限されていました。】

【ブースの隙間から辛うじて撮影出来た一枚。】
  さて、もちろん日本のメーカーも負けていません。映像業界において、カメラの中心はやはり日本製。パナソニック・ソニー・キャノン・日立・JVC・池上など各社大きなブースを構え、大勢の来場者で賑わっていました。
当然ながら編集システムのAvid(アビッド)・HOEI、そして編集ソフトの「Apple Final Cut Studio 2」など、いずれも日本の展示会とは比較にならない巨大なブースで来場者を待ち受け、色々な言語を話せるスタッフが説明にあたっています。
 
【Adobe社のブース。】

【1社で広大なスペースを使っているSONY。】
 

●NABでのLOWEL社の展示

LOWELは他の照明メーカーが集まっているところから離れ、ノースホール(全3ホール)に出展。新製品のLOWEL RIFAをはじめ、蛍光灯ライトやハロゲン系のライトを展示。

LOWEL RIFAは新たにバネネットマウントによって光源を交換出来る方式を採用し、その内部構造が分かるようなシースルーモデルが展示されていました。ここで採用されている70Wの大型スパイラル蛍光管はその大きさからも迫力があり、光量もかなりのもので、物撮りなどにも最適と思われます。しかしながら、このLOWEL RIFAは海外専用モデルであり、日本での発売については未定だそうです。

 
【ブラックの床と黄色の花で、コーポレートカラーに統一されたLOWELブース。】

【LOWEL RIFAの展示風景。】
   
 

ハロゲンタイプの従来ラインは、アクセサリーを含めたトータルの展示です。これらの小型・高出力のライトはやはり他社と比較し優れており、仕様を変えずに長年世界的に販売されてきていることを改めて認識しました。カメラが小型化され、ENG撮影など、特に少人数での撮影の際にLOWEL社のライティングシステムが活きてくるものと実感しました。

今後銀一では、LOWEL製品を月島のスタジオショップでも発売開始を予定しています。もちろんこの秋のInterBEE(11月・幕張メッセで行われる放送機材展)にも出展・展示しますので、是非ともご来場ください。(出展情報は、夏過ぎに銀一ウェブ上でご案内予定です)



 

●Tiffen社の展示

 
【Tiffen社のブースの様子。】
日本ではドンケ・カメラバッグでお馴染みのTiffen社は、LOWELと同じホールに出展。同社のSteadiCam(ステディカム)は毎回大きな人垣が出来ており、多くの人が実機を着用して体験していました。
また、ドンケからは大型のバック(カメラバッグのF-2の約4倍強の大きさ)が出品。これはビデオカメラを入れるつもりで試作したのだとか。あまりの大きさに、つい笑ってしまいました。
 
【ステディカムの最小モデル、Merlinを説明するステディカム考案者Gallet Brown氏。】

【ステディカムのデモ風景。】
 
【ビデオカメラ機材一式やライティング機材を入れるための巨大ドンケバッグ。】
この巨大なドンケバッグ、発売は未定ですが、ビデオ業界だけでなく、ドンケのホームグラウンドである写真業界でも話題の一品となりそう。使い込むほどにその良さを発揮するコットンバックとして多彩な場面で使用されるのでは? と思わせられます。
 
【Dfxフィルターソフトの実演デモ。】
Tiffenのメインの展示コーナーでは、同社が開発したソフトのデモンストレーションを実施していました。これはフォトショップやファイナルカットといった写真や動画の編集ソフト上で、TiffenフィルターやROSCOのジェル、はてはコダックのラッテンフィルターまで、その効果をシミュレート出来るというモノで、その名も「Tiffen Dfx」。日本発売も検討中です。
 

ハロゲンタイプの従来ラインは、アクセサリーを含めたトータルの展示です。これらの小型・高出力のライトはやはり他社と比較し優れており、仕様を変えずに長年世界的に販売されてきていることを改めて認識しました。カメラが小型化され、ENG撮影など、特に少人数での撮影の際にLOWEL社のライティングシステムが活きてくるものと実感しました。

今後銀一では、LOWEL製品を月島のスタジオショップでも発売開始を予定しています。もちろんこの秋のInterBEE(11月・幕張メッセで行われる放送機材展)にも出展・展示しますので、是非ともご来場ください。(出展情報は、夏過ぎに銀一ウェブ上でご案内予定です)

 

●ちょっと一息

ここで、ちょっとブレイクして会場入り口前にのNAB Storeをご紹介。ロゴ入りアイテムが大好きな国民性を反映してか、NABのロゴ入りオリジナルTシャツやマグカップや帽子など、いろいろな小物が販売されていました。
展示期間中、お昼時はホール外の芝生でランチ。ホットドックだったり、屋台で販売されているバーべキューなどに舌鼓。もちろん芝に横になるのが気持ちいいですが、陽射しの強さを甘く見るとヤケドを負いますので注意が必要です。
 
【NABストアでは「音声レベルはチェックした?」「再起動した方が良くない?」などと書かれたパロディTシャツが売られていました。】

【展示ホールの外に出ると、青い空と綺麗な芝。なんだか大学のキャンパス風景のようです。】
 

●続いては、日本でも有名な各照明・用品メーカーをレポート

用品メーカーの中で大迫力だったのが、VITEC(ヴァイテック)グループ。グループ傘下にある、ヴィンテン・ザハトラー・アントンバウワー・マンフロット・アべンジャー・カタ・ジッツオなど、世界的ブランドが横並びで固まって出展しており、展示ホールにおいてVITEC村を形成しています。ヴィンテンでは遠隔制御のビデオヘッドシステムをデモンストレーション。海外の放送局においてはかなりの納入実績があり、いずれは日本でもと期待している様子です。
 
【手前からヴィンテン、ザハトラー、アントンバウアー、ジッツオ、マンフロット、カタとホールの端までVITECグループで出展。】

【マンフロットもヴィンテングループの一員として出展。】
  また、バッテリーメーカーIDX社も従来よりもブースを広げ、アメリカにおけるシェア獲得に本腰の様子。ほかには、照明機材メーカーではLED光源を使用したオンボードライトや、面光源のパネルライトの出展が目立ちました。
日本からはメディアガーデンがライトパネルズ社のブースに立ってLED粒を並べたライトを来場者に説明し、多くの関心を集めていました。
 

【ライトパネルズ社では熱を発しない面光源としてLEDをプッシュ。】

ライトパネルズ http://www.litepanels.com/

 

他にも、日本の展示会には出展されないキノフロやデジシティー・フィルムギアといった照明メーカーが出展していたりと見どころたくさんだった今年のNABショー。とても今回の視察期間二日間では見切れない、と途中から諦めました(笑)。

そして今回の何といっても最大の収穫は、ある販売店がが少数配布していた(配布? 見本? )ライティング機材のカタログ。総ページ数800ページ、厚さにして約5センチのまるで電話帳のようなシロモノです。各社のライトやストロボが、メーカーのカタログよりこと細かに掲載。こんなカタログを作ってしまうところがやはりアメリカのショップの所以なのかと感心しました。厚いと言われている銀一スタジオショップのカタログも、やがてはこの規模になっていくかも知れません!?

 
【販売店発行のカタログ。これを持って会場内を歩くのは苦痛でした・・・。】
  慌ただしくも充実した、私の今回のニューヨーク・ラスベガスの視察。少しは雰囲気を感じていただけたでしょうか?
これからも銀一では世界の写真・映像業界の情報を皆様にお伝えするとともに、より良い商品をご紹介していきたく思います。どうぞご期待ください。

 

あとがき:今回の出張を支えてくれたのが、先月のTIPS記事で紹介されたシンクタンクフォトのアーバンディスガイズシリーズの最大モデル、「アーバンディスガイズ60」。
13"のノートPCに電子辞書、小型軽量で扱いやすいニコンD40のダブルレンズキットを軽く収納し、持参の資料とさらに会場で集めたカタログなど、もちろん細かいものも多彩なポケットが効率よく収納出来ました。出張期間中、このバッグの見た目以上の収納性に感心することしきり。
私はこのバッグが3月に発売された以後、おそらく誰よりも多くのモノを入れたと思いますし、その重さも相当なもの。そうした荷重にビクともせずに耐える頑丈さに、普段使いはもちろん、出張時必携の逸品と自社製品ながら実感の二日間でした。

【帰国後も毎日、営業バッグとして活躍している「アーバンディスガイズ60」。】

●シンクタンクフォト アーバンディスガイズ60(6月再入荷予定:現在予約受付中)
http://www.ginichi.com/shop/thinktank/detail/25.html

【文責:銀一株式会社 海外商品部 肥後正篤】

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